
「おもちゃもDVDも飽きちゃったみたい」「毎日子どもとふたりっきりで息が詰まりそう」…そんなときは、とりあえず散歩に出かけてみませんか? 目的地なんて決めなくてもOK! 近所をぐるっとひと回りしてくるだけでもいいんです。 いつもの道をのんびりと、ぶらぶら歩く。 たったそれだけでも、子どもにとっては刺激がいっぱい。 季節のうつりかわりを肌で感じると、心も感性も豊かに。 たくさん歩くと足腰も丈夫になりますよ。
2008/09/26
▲お散歩は貴重なおやこのふれあいタイム♪
ぐずって泣いている赤ちゃんを外に連れ出すと、たいてい泣きやんで機嫌がよくなりますよね? それは、外の世界には、家の中にはない「変化」があるからです。
風が吹いていたり、車の音がしたり、犬が歩いていたり… 家の外には、風が冷たい、エンジン音が聞こえる、など、子どものさまざまな感覚を刺激するものがたくさんあります。 そして、それらは見るたびに、聞くたびにちょっとずつ違います。
散歩は、多くの体験ができる絶好のチャンスです。 日々のうつりかわりや季節の変化を、身体全体で感じながら育っていくと、感性がとても豊かな子になることでしょう。
また、散歩に出かけると、子どもは自分から楽しいことをどんどん発見していきます。 あ、ワンワンだ!… こんなところにお花が咲いている… ダンゴムシがいた… きれいな葉っぱを見つけた… というように、自分の目で、耳で、感性で、楽しいことやおもしろいものをキャッチしては、あっちへふらふら、こっちへふらふら。
大人からすると、寄り道ばかりでちっとも進まないように見えますが、自分で楽しいことを見つけられる能力って、実はとても大事なんです。 ゲームやDVDなど、自分で探さなくとも楽しみが向こうからやってくる遊びばかりしていても、この力は育ちません。 小さいうちから、楽しみを自分で見つける力が身に付いていれば、それはやがて「考える力」「工夫する力」に発展していきます。
もちろん、たくさん歩けば足腰が丈夫になり、必要なところに必要な筋肉がしっかりつく、というメリットもあります。 よく「足は第2の心臓」とも言われますが、特に小さいうちは、足が心臓の働きをサポートする役割を果たし、歩けば歩くほど血のめぐりがよくなるとも言われています。
2歳で2㎞、3歳で3㎞…というように、毎日、年齢と同じ㎞数を歩くのが理想ですが、それが難しいようでしたら、朝、ちょっと早起きして、家のまわりを5~10分お散歩するとか、1日に1回、車や自転車で移動するかわりに「歩く」ことを心がけてみる。そんなふうに、「歩く」ことを意識するだけでもずいぶん違ってきますよ。
▲転ぶことも子どもにとっては大切な経験のひとつです
「散歩」というからには、ちゃんと歩けないとダメなの? と思われがちですが、そんなことはありません。
よちよち歩きだってOK! まだひとりで歩けないうちは抱っこでOKです。 ただし、横抱きではなく、子どもが景色を見やすいように縦抱きにしてあげるのがコツです。
そして、よちよち歩きを始めたら、たとえ危なっかしくても、なるべく支えずに自分の力で歩かせてあげましょう。
「転んでケガをしたら大変」と思われるかもしれませんが、転んで痛い思いをすることも、子どもにとってはとても大事なこと。 転んだとき、手が前に出ることへの訓練にもなります。 転ぶことからさまざまなことを覚えているうちに、歩くことも上手になっていくでしょう。
散歩のコースは、どこでもかまいませんが、子どもが小さいうちは、目的をもたずに、同じ道を毎日歩くだけの「定点観測コース」がおすすめです。 というのも、同じ道筋だからこそ、「昨日あったもの」を「あった!」と確認する喜びが味わえますし、「水たまりができている」「葉っぱが落ちている」「咲いていた花が枯れている」というような、ほんの小さな変化にも気づくことができるからです。
よちよち歩きを卒業したら、じゃり道や坂道など、少し変化のある道にチャレンジ! さらに足腰が丈夫になりますし、しっかり足でふんばる力もついてきます。 さらに、しっかり歩けるようになったら「今日はちょっと遠くのスーパーまで歩いてみよう」「あの公園までお散歩しよう」というように、ゴールを設定して歩いてみるのもいいでしょう。ただし、目的はあくまでも散歩ですので、「ほら、○○に行くんだから急いで!」なんて子どもをせかすことのないように。 そのためにも、時間にはゆとりをもって、おでかけくださいね。
▲お散歩でこころも身体も大きく豊かに
例えば、犬といっしょに散歩している人を見かけたとします。 子どもが「あ、ワンワン!」とうれしそうに叫んだとき、大人はどんなふうに反応してあげたらいいのでしょう?
答えは簡単。 「あ、ワンワンだね! 犬がいるね」。 これだけでOK! 大人はついつい、「茶色いねえ」「しっぽをふっているね」「うれしいんだね」などと、よけいなことを付け足してしまいがちです。 でも、それは子どもにとっては必要のないこと。
子どもがほしいのは「説明」ではなく、「共感」です。
「犬がいた!」という子どものうれしい気持ちをいっしょに感じ、言葉にしてあげれば、それでじゅうぶんです。
そんなふうに子どもの心と大人の心がぴったりと重なった瞬間は、子どもにとって、とてもうれしいものです。 小さいころに、そんな幸せな瞬間をたくさん積み重ねていれば、それは必ず子どもの心の中に残ります。
また、子どもの身体は、足、手、体幹へと発達していきます。 じょうぶな身体をつくるためにも、足や腰の筋肉はしっかりとつけていきたいものです。 楽しみながら散歩をすることによって、心身ともに大きく豊かに育んでいきましょう。
「助っ人」