![楽しく歯みがきしよう [後編]](/yomimono/sodachi/qcbf1l0000008l5f-img/qcbf1l0000008l5y.jpg)
前回の楽しく歯みがきしましょう[前編]では、「イヤ!」を「楽しい♪」に変える歯みがきのコツをベテラン元保育士ならではの観点からご紹介しました。では医学的専門分野の観点においてはどうなのでしょう?歯みがきに対する考え方は歯医者さんによっても微妙に違い、何が正しいのか考えちゃいますよね。そこで後編では、どのように歯みがきを指導されているのか、社団法人東京都歯科衛生士会の大金さんと原さんにお話をうかがいました。
2008/06/25
■口の中はとても過敏!髪の毛一本入っても不快です
歯ブラシを口の中に入れられることは、子どもにとって苦痛なことです。ですが、歯が生え始めたら歯みがき(ガーゼみがき)が必要です。仕上げみがきを2歳以降からいきなり始めると嫌がるのも無理ありません。
前編と重複しますが、赤ちゃんの頃から、抱っこしてゆさぶり遊びをしたり、両手でお子さんの顔をさわったり、口の中を触れても大丈夫なようにならしておきましょう。
■仕上げみがきをするときの大人の顔は怖い顔!!
仕上げみがきは、寝かせみがきが基本です。仕上げみがきをするときに、子どもからどう見えているか、自分の顔を鏡で見てみましょう。寝かせみがきをされている子どもから見ると、普段のお母さんの顔と違ってとても怖く見えるのです。表情はやさしくおだやかになるよう気をつけましょう。お母さんが楽しみながらすることが大事です。
■歯ブラシがあたって痛いのかもしれません
正面、上側の歯ぐきの真ん中に上唇小帯(じょうしんしょうたい)というひもがあります。そこにブラシがあたると、とても痛いので注意しましょう。
▲歯ぐきに指をあてて歯ブラシが当たらないようにしてあげましょう
歯みがきは、細菌のかたまりである歯垢(しこう)を除去するために行います。まず、膝の上に子どもを寝かせて歯の隅々まで見えるようにしましょう。
ブラシを持たない方の手で、子どものくちびるや歯ぐきに指を当てて、歯ブラシが当らないように保護しながら、的確に手早くみがきましょう。この動作をする事でみがく場所が良く見え、みがきやすくします。
長い時間みがいているのは子どもにとっては苦痛なこと。あらかじめ、みがく順番を決めておくと手早くみがけます。前編にもありましたが、お子さんに声をかけながら、歌を歌いながら、というのはとてもよいです。
▲自分でみがいたあとは、大人が仕上げみがきしましょう
永久歯が生えそろうのは、6年生から中学生くらいです。できれば、それくらいまで仕上げみがきをしてもよいでしょう。
歯の生え始めは永久歯といえども虫歯になりやすいので要注意。ぜひ、かかりつけの歯医者さんを持ってください。歯医者さんは、虫歯を治療するための場所と思わず、虫歯にならないために連れて行くところ、という意識を持ちましょう。歯医者さんに健診に行き、お母さんもいっしょにお子さんの歯をみさせてもらうのもいいですよ(歯医者さんのイスについているライトはとても明るくよく見えます)。
また、歯医者さんへ健診に行き始める時期ですが、1歳6ヶ月健診が過ぎたら歯医者さんへ行きましょう、と勧めています。遅くとも、3歳頃には乳歯も生えそろうので、その前に行った方がよいでしょう。
▲お気にいりの歯ブラシを見つけに行くのも楽しいですね。
子ども用、仕上げみがき用、それぞれ用意しましょう。
どちらも、柄が真っ直ぐのものがよいです。
お子さんの歯ブラシは、キャラクターが付いていることによって、やる気が出ることもあるので、自分で選ばせるのもよいと思います。ブラシの毛のかたさは、最初はやわらかめを、慣れたらふつうを使いましょう。
歯みがきのチェックポイントは、■歯ぐきと歯の境 ■歯と歯の間 ■奥歯のかみ合わせの溝、の3つです。他にも、右利きの場合:右のカーブの犬歯の部分(・左利きの場合:左のカーブ(犬歯の部分)は、ブラシを持ち替えるために取り残しが多いので注意してください。
▲歯ブラシを持ち替えるカーブは注意! ▲隅々までチェックしましょう ▲奥歯のかみ合わせの溝も要注意!
歯みがきをする上で取り除いてほしいのは歯垢です。歯垢を取り除くのは歯ブラシであって、歯みがき粉で取り除けるわけではありません。しかし、歯みがき粉は虫歯予防になるフッ素が入っているため使ってもらいたいものです。より効果的なみがき方として、ブラシだけでみがく→ぶくぶくうがい→歯みがき粉を年齢に合った適量(※1)を使ってきっちりみがく、という方法がおすすめです。現在、発売されている歯みがき粉は90%以上フッ素が入っています。国は健康日本21(※2)の中で、フッ素の局所塗布やフッ素入りの歯みがき粉をおすすめめしています。
ぶくぶくうがいができない子は、コップに水を入れておいておき、歯ブラシを洗いながらみがくようにするとよいでしょう。歯をみがく→水でブラシを洗う→歯をみがくを繰り返します。ただし、歯の裏側は一気にみがかないと歯を閉じて開けなくなったら時間がかかり子どもにとってもお母さんにとってもたいへんです。ブラシを持つ反対側の手でお子さんのくちびるや歯ぐきを押さえ、歯ブラシは口外へ出さず一気にみがいてください。
■フッ素を塗布してもらうのも効果的
歯医者さんで、フッ素を塗ってもらうのはよいことです。時期は、歯が生えたら塗ってもらって構いません。各自治体(保健センター)によっては1歳6ヶ月健診時に、フッ素を塗ってくれるところもあります。フッ素は、半年に1回の塗布回数が一般的ですので、定期健診も兼ねて、かかりつけの歯医者さんでフッ素を塗ってもらうのもよいでしょう。
■甘い食べ物の与え方も大事
糖分は虫歯の原因です。小さいうちから甘い味を覚えなければ、子どもは甘いものをほしがりません。アメをあげなければ、アメの甘さも欲しがらないのです。前編にもありますが、おやつは甘いものでなく、おにぎりやパンなどをお勧めします。甘いお菓子を与えることは、決して子どものためにはなりません。歯みがきだけでなく、食事に気を配ることが、歯の健康に大切であると覚えておいてください。
■母乳やミルクと虫歯の関係
長く飲ませることは、歯の健康だけを考えれば、成分が乳糖なので虫歯の原因となりあまり勧められません。また口の中がねばつき細菌を歯に付着しやすくします。寝る前に飲ませても、歯みがきをすれば問題はありません。ただ、一概に断乳・卒乳すればいい、とも言いきれませんよね。断乳・卒乳はお母さんの考え次第です。
■虫歯と細菌
乳歯で虫歯ができると、生えかわっても永久歯に影響があります。虫歯は細菌による感染症です。なので虫歯があると虫歯菌は増えていきます。虫歯菌の母子感染も問題視されていますので、お母さんも虫歯を治してきれいにしておきましょう。親が歯に気を遣い、子どもの前で楽しく丁寧に歯みがきしている姿を示していれば、子どもも見習って自然ときれいにみがくようになるでしょう。
(※1) 年齢に合った適量
幼児期においては、幼児用歯ブラシの毛先にあずき大の歯みがき粉が適量です。
小学生は、子ども用歯ブラシの半分くらいつけてみがくと良いです。
大人も、歯ブラシの半分くらい歯みがき粉をつけてみがくと良いです。
(※2) 健康日本21
「21世紀における国民健康づくり運動」のこと。健康寿命の延伸等を実現すべく健康づくりに関する意識の向上及び取組を促そうとするものです。健康作りに必要な項目として歯の健康も掲げらています。また、歯の健康に関しては、80歳で20本以上の歯を保つことを目標とした8020(ハチマル・ニイマル)運動が推進されています。
