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第一線の研究者による子育てアドバイス

街なかで車いす使用者に出会ったら・・・

2008/04/21

街なかで車いす使用者に出会ったら・・・

車いす使用者に興味をもつ子ども

社会における物理的なバリアフリー化が進んでいます。それにともない、積極的に活動している障害者を街なかで多く見かけるようになりました。以前、車いす使用者の方を対象に「街なかで子どもからジロジロ見られた経験やそれに対する親の対応を教えてください」というアンケートをしました。その結果、多くの方が子どもからジロジロ見られた経験があることがわかりました。このようなとき、親はどのような対応をすればよいのでしょうか。

「見てはダメ」という保護者の声かけ

もし、あなたのお子さんが近くにいる車いす使用者(あるいは車いす)に興味をもってじっと見ていたら、どのような対応をするでしょうか。アンケートの結果からは「何も言わない」「『見てはいけない』と言う」「『歩けないのよ』と言う」「見ていた子どもを叱る」「『親切にしてあげるのよ』と言う」などが挙げられました。

このなかで、車いす使用者には障害があり、歩行が困難であることを伝えているのは「『歩けないのよ』と言う」だけです。何も言わないというのは子どもの興味や関心に気づいていない可能性がありますし、「見てはいけない」と言ったり、見ていた子どもを叱る行為は車いす使用者に対して、あまりにも失礼な対応です。

車いす使用者はどのように感じているか

このような親の対応について、車いす使用者はどのように感じているのでしょうか?
以下のような意見があげられました。

・ 「見てはダメ」と子どもの手を取りどこかへ去っていく。こちらとしてはカチンとくる。
・ 親は見てはいけないものを見たときのような態度をとる。
 「近づいてはダメ」と言われたこともある。すごく悲しい。
・ 子どもとコミュニケーションをとっていると親が「すみません」と謝り、   
子どもを連れて行くことがある。車いす使用者に謝るという認識を    
子どもが持ってしまわないか心配。

親に求められる対応は?
障害を理解するプロセス

それでは、親にはどのように対応が求められるのでしょうか?
障害を理解するプロセスには5つの段階(※)があります。その第1段階は、障害のある人がこの世の中に存在していることに気づく「気づきの段階」であり、障害や障害児・者に対するファミリアリティ(親しみ)を向上するための第1期と位置づけられています。

子どもは自分との違いに気づき、興味をもつことがありますが、それは当然のことです。大切なのは、親などの周囲の大人が子どもの気づきを無視しないことです。

適切な情報提供が必要

子どもは車いすそのものに興味をもつこともあります。そのため、本人にその気はなくても結果的にジロジロ車いす使用者を見てしまうことがあるかもしれません。その際に、障害者に対する誤解や偏見を助長する可能性がある声かけをすることは望ましくありません。

アンケートに答えてくださった車いす使用者のなかには、「子どもの疑問には子どものわかる範囲で説明する」という方もいました。

子どもたちが車いす使用者に対して「見てはいけない」「近づいてはいけない」などと誤った認識をもたないためにも、親など周囲の大人は「車いす使用者の方たちが病気や事故などによって歩くことが難しいために車いすを使用している」など、適切な情報を子どもに伝えていきましょう。



(※)障害を理解するプロセス5つの段階
① 障害がある人の存在に気づく。
② 自分の身体機能の把握、あるいは障害の原因、障害との接し方など障害者の知識を得る。
③ 障害者との直接的(イベント、街で会うなど)&間接的(テレビ、書物など)な接触を通して、障害者の機能面での障害やハンディキャップを心で感じる。
④ ②の学習と③の体験による態度が形成される。
⑤ 自分たちが生活する場(学校、会社、趣味のグループなど)に障害者が参加することを当然のこととして受け容れ、障害者に対しても自然に援助する。

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