![第9回 パートナーシップが支え!言葉を大切にした自分サイズの子育て [後編]](/yomimono/qcbf1l000000853t-img/qcbf1l000000854i.gif)
2008/07/09
▲乳児期は手探りの連続。「離乳食を全然食べないので毎回作っては捨てることに…」と語る香月さん
子どもが0~2歳のときは、まるで夢の中にいるような手探り状態で、何もかもが未知との遭遇でした。その中で一番悩みのタネだったのは、息子が私の作る離乳食を食べてくれなかったことなんですよ。
育児書を見ても「今何期なの!?」っていうくらい、モグモグ期もパクパク期もなくて、ずーっとおっぱい。仕事先で子育て経験のある方に相談したら「本の通りにいくわけないんだから、子どもが飲みたいなら飲ませればいいじゃない」と言われて…。保育園に入ってからはお友達につられて食事もしっかり食べていたようで、先生からも「無理しなくていいよ」と言われたのですが、まわりは全員卒乳していたんです。
卒乳や断乳について、自分でもすごく調べましたよ。
事態が変わったのは2歳3ヶ月くらいのとき。最初に、1歳半で断乳しようとしたときには、これで最後だと思うと子どもも私も泣けてきたのに、突然、もういいかな、という気分になったんです。
そうしたら不思議なもので、だんだんと夜だけ飲むようになり、私がいなくてもパパとふたりで寝られるようになって、自然に、おっぱいがなくても大丈夫になりました。本やまわりのことは参考程度にして、あくまでも目の前にいる子どもと自分が決めていくというのが大事なんだなと思いました。
世の中の育児書や子育てコラムを読むと、“いつも素敵なお母さんじゃなきゃいけないモード”になりがちですよね?
だけど、そんなの無理だと思うんですよ。例えいたとしても、それは一部の才能のある人。まわりをあまり気にせずに、母親である自分が気持ちいいように今を楽しく過ごすのが一番かな、と思います。他と比べて子どもにあたっちゃうのが一番哀しいですもんね。
悩んだときには自分よりも、ちょっとだけ先を行く先輩のお母さんたちに聞くのが参考になっていいと思いますね。私は生まれてすぐの0ヶ月の頃、いっぱいいっぱいになっているときに、生後3~4ヶ月の子のお母さんに「1ヶ月追うごとに本当に楽になるよ!」というメールをもらったのが、とても励みになりましたし、今も近所に、3児の母、4児の母がたくさんいらっしゃいますので、何かと教えてもらっています。
▲表参道『ハッピーマナーサロン』のスーパーバイザーも務めている香月さん。ハッピーな人間関係を作れる話し方のコツを伝授しています
気がつけば私たちって、生活の中で口に出す言葉の数がかなり減っていると思うんです。
大人もそうですが、子どもはもっと話さなくていい。小さい頃から親が先回りして子どもの世話を焼いてしまうと、子どもにとっては声に出して思いを表現する機会がなくなるんです。
主張しなくてもごはんを食べられるし、おやつも小分けになって出てくる。黙っていても何もかもできる世の中には危機感を感じていますね。
昔の大家族であれば、自己主張しながら兄弟で折り合うことを学び、目上の祖父母に対する敬語も生きていました。子どもは大人たちが話すシーンもよく見ていたし、多彩な言葉に触れられたと思うんです。
でも、今の子どもたちには、生活の中で、そのような状況を親が意識して作ってあげなければ、同じような体験はできないんです。自分の欲求を表現する練習をして、昔は自然と覚えていった言葉を、今の子どもたちにも身につけてほしいですね。
“話し方”を練習することは、とても簡単なんですよ。普段のあらゆる場面が役に立ちます。
例えば、バスに乗るときに「お願いします」と言ったり、お店で「いらっしゃいませ」と言われたら「こんにちは」と言ってみる。それが呼びかけに答える練習となって、だんだん言葉が出てくるようになるんです。
コツは一語でしゃべらせないこと。
例えば、小学生になったら「ごはん!」ではなく、「お腹がすいたからごはんが食べたい」というように、文章にしてしゃべる訓練をする。「ごはんが何?」「どうしてごはんが食べたいの?」と、きちんとした文章になるまで親がマメに聞き直すこと。
中学生なら「お母さん、ごはんが食べたいから作ってくれる?」というふうに、呼びかけと依頼の気持ちが話せるように練習してみてはいかがでしょう?言葉は日々の積み重ねによって、よくなっていきますよ。
また、親を見ていれば、子どももできるようになります。私は近くの商店街で買い物をしてたくさん話すので、息子なんてお米屋さんのお手伝いまでしています(笑)。
▲上手に話そうとするよりも、元気よく、自分の言葉で話すことが出来ればOK!とお話しされる香月さん。
これはよく聞かれることなんですが、誰でも緊張はすると思うんですよ。
誰でも緊張するんだ、自分だけじゃない!って、思えば楽になります(笑)。逆に私は本番前の緊張が好きで、この仕事を続けています。
実践的な方法でお話しすれば、『第一声を自分から元気よく出す』というのがいいですね。先手を打って大声を出すと、意外に落着きます。女性の場合は、自信がないと語尾を笑いにしたり、声が小さくなる人が多いんですが、最後まではっきり言いましょう。断定口調になると悪いような気がしてつい笑っちゃうのでしょうが、変なのでやめましょう。
あとは、うまく話そうと思わないこと。
つかえても何でも、思っていることの三分の一くらいを自分の言葉で言えればOKだと思います。方法はほかにもたくさんあるので、もっと知りたい方は私の話し方講座にどうぞ(笑)。
香月 よう子さん (かつき ようこ)