
千秋さんをはじめ、4人のお子さんを育て上げたお母さんは、今年83歳とは思えないほどバイタリティにあふれてチャーミング。自分の店を忙しく経営しながらもきっちりと筋の通った子育ては、今の時代だからこそ参考になることがいっぱいです。『向井千秋記念子ども科学館』がある館林市内のご実家で、終始ほがらかな笑い声が響くインタビューとなりました。(全5回)
2008/01/28
私が28歳の時に長女の千秋が生まれました。長男(バスフィッシング界の第一人者、ヒロ内藤さん)は30歳の時。その1年1ヵ月後に年子で次男が、それから2年おいて次女が生まれて。子どもが生まれる少し前に始めたのが、かばんの店「ベニヤ」。店員が多い時には8人くらいおりましたね。そうしたら、あっという間に4人の母親でしょ。主人は定年までずっと学校の先生だったから、手伝うどころかお店に入ったこともない。子どもの面倒をみながら店を続けるのは本当に大変でした。だからもう泣いても笑ってもほっぽらかし(笑)。
昔は紙おむつなんてないから夜中に洗濯板でごしごし洗って、雨が降ると乾かなくてもう泣きたい思い。ご飯だって大きな釜で蒸してつくったでしょう。子どもたちはみかん箱が机代わりで、服も長く大事に使うから継ぎ当てだらけ。目まぐるしい生活の中、贅沢もせずになんとかやってきましたね。
▲ご主人の喜久男さんと一緒に
子どもたちの親への呼び方は「おとうちゃま」と「おかあちゃま」。東京の主人の身内が全部そうで、割合みんなきれいな言葉を使うの。私は田舎暮らしの貧乏育ちだから気をつけて、夫婦で話す時にもていねいに敬語を使っていました。だから千秋も小さい時から言葉がきれいって言われていましたね。
主人は私と正反対でおぼっちゃま育ちだから、わがままで気難しくて。でも根はすばらしく性格のいい、生まれたまんまの気持ちの人。子育てというのは、昔の男の人は全くしなかったんですよね。でも私はあんまり大変だって言ったことがないし、主人に「私は働いていますから」なんて一度も言ったことがないの。何言われても、はいはいと返事して、あーだこーだ言わないうちに死なれちゃったの。
千秋が「だからあんなにおとうちゃまをわがままにしちゃったんだよ」なんて言うのよ(笑)。
向井千秋さん